米国株オプションに挑戦

カバードコールに魅せられて

株を購入価格より安く決済しても利益が出る「リペア戦略」

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現金確保のプット売り(CSP)を実践していると、たまに含み損がすごい株を保有することになりますよね。そのときにカバードコール(CCW)を組んでもプレミアムが微益です。

なので微益でCCWするなら、早く今ある株をどうにかしたいと思うのが本音ではないでしょうか。

今回紹介するオプションの組み方「リペア戦略」を覚えると、リカバリー方法の一つとして、現金比率を早く元に戻せることができます。

カバードコール(建値より下)+「コール買い」

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リペア戦略

ポジション概要

--------- 保有株:建値(100株)

--------- コール売2枚

☆(現在値)コール買い 1枚

解説

・現在値でコール買い1枚。
「コール買いの価格」と「保有株の建値」の中間でコール売り2枚。
・合計プレミアムをクレジット(受取)にする。

満期日にコール売りのレート以上で終われば、含み損の株も微益で決済できます。それ以下のレートだと微益(プレミアムのみ)になります。

すなわち、保有株の建値より低い株価で終わっても、プラスで全株決済できるのが、このスプレッドの良いところです。(※ただしコール売りの価格以上でないと全株決済はできない)

仕掛けるポイント

下落に巻き込まれた株を早く決済したいとき。

具体例

写真のポジション解説です。以下のようにポジションを組んでいます。

・保有ポジション
 AAPLの株×100株(建値138ドルで含み損)
 135コール売り×2枚
 132コール買い×1枚
 現在値 131.14ドル

・プレミアム計算
 135コール売り×2枚 @4.36(2.18×2)
 132コール買い×1枚 @3.40
 合計 0.96(クレジット)
 (※写真では指値0.85になっています。)

よって、どの株価で終わっても受け取りプレミアムになっていれば利益はプラスになります。上昇すると損益図(参照:写真左のパフォーマンスグラフ)はマイナスになりますがカバードコールになっているのでプラスです。

・満期日の損益計算
A、135ドル以上で終わった場合
 →オプション+保有株は全決済。利益はプレミアムのみ。

ポジションを分解
①138ドルの株(100株)
②135コール売り×1枚
③135コール売り×1枚
④132コール買い×1枚

--------------------------
①138ドルの株(138ドルで株を買う)
②135コール売り×1枚(135ドルで株を売る)
 →これより損益-300ドル

③135コール売り×1枚(135ドルで株を売る)
④132コール買い×1枚(132ドルで株を買う)
 →これより利益+300ドル
--------------------------

①~④により±0となり、最初に受け取ったプレミアム分が利益になります。

B、132ドル~135ドルで終わった場合
 →132コール買いが、株(建値132ドルで100株:含み益)として追加される。(保有株も残る)

よって、そのまま満期日前に決済しても良し、元から保有していた株と合わせて平均価格を下げるために保有して、再度リペア戦略でも良しです。

C、132ドル以下で終わった場合
 →プレミアムのみ(保有株は残る)

最後に

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このリペア戦略は【参考文献】週末投資家のためのカバード・コール KAPPA (著)で勉強しました。KAPPA先生に感謝です。

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