肌の悩みがすべて消えるたった1つの方法 宇津木龍一
肌をきれいにしたいなら、化粧品をやめなさい
私の提唱するスキンケアの大原則は、「皮膚に明らかに害のある行為を中止する」こと。つまり、害になるものをいっさい肌につけない、使わないということです。
具体的には、クレンジングやクリーム、美容液、化粧水といった基礎化粧品と、ファンデーションなどのベースメイクのすべてを断ち、最終的にはせっけんも使わずに水で洗うだけのケアに徹します。
「肌」には奇跡の再生力が存在します
表面の角質細胞が1個はがれ落ちると、それがシグナルとなって基底層で新しい細胞がひとつ生まれる。
新しい細胞が生まれるためには、表面の角質細胞がスムーズにはがれ落ちる必要があるのです。正常な皮膚では、表面の角質細胞が空気にふれて乾燥すると、めくれあがるように垢としてはがれ、自然に落下していきます。
しかし、化粧水やクリームなどをつけて肌の表面をベタベタにしていると、角質細胞は乾燥せず、カールもできないので、はがれにくくなります。
あなたの肌をダメにする「化粧水」のウソ・ホント
化粧水の水は肌につけても、いずれ蒸発します。そこで、ヒアルロン酸やコラーゲンを入れてとろみをつけることで、水の蒸発を少しでも遅らせようというのが保湿化粧水です。
ところが、水分が肌に長くとどまれば、それだけ多くの水分が皮膚の表面に吸着し、そうなれば当然、蒸発する水分の量も増えます。
それだけならまだしも、水分が蒸発したあと、ヒアルロン酸もコラーゲンも粉体として肌に残ります。そして、その粉体がさらに肌を乾燥させます。
椿油やスクワラン、馬油、ホホバ油、オリーブ油などの純粋なオイルはどうでしょう。それらは界面活性剤を含んでいないので、クリームよりはよいかもしれません。でも、油は油にとけるので、少量なら細胞間脂質にとけこんで、不純物として作用しますし、量が多いと細胞間脂質をとかしてしまいます。
肌のトラブルを治したい人や美しい肌を保ちたい人は、バリアを破壊する化粧品を断ち、水洗顔だけのケアに徹することです
私のスキンケアでは、つけない、こすらない、洗いすぎない、の3つが基本になります。肌の乾燥が激しいときは、ワセリンをつけます。
美肌をとりもどす宇津木流スキンケア法
夜の洗顔では、ほこりやフィニッシュパウダーなどの汚れを落とします。とくに重要なのは、皮脂が酸化してできた過酸化脂質を洗い流すこと。
過酸化脂質は脂質といっても、水溶性です。水に溶けるので、水だけで落とせます。
水温は34~35度あれば、皮脂もほとんど落ちるわけです。また、においの元となる硫化物や過酸化脂質など、皮膚の汚れはほとんどが水にとけて落ちるようにできています。
夜の洗顔では皮膚表面の温度、35度以下の、なるべく水に近い「ぬるま水」で洗います。
両手を合わせて水をすくい、そのたまった水の中に顔を入れます。そして、手のひらを顔にふれたまま軽く押し付けては離し、押し付けては離しを繰り返します。
せっけん洗顔のポイントは、たっぷりの細かな泡で優しく洗うこと。泡には油性の汚れを溶かし込んで、浮き上がらせる効果があります。
泡洗顔は「押し洗い」と「うぶ毛洗い」の2種類の方法で行います。
押し洗いでは、泡をつけた手のひらで肌に触れ、そのままグッと押していきます。手のひらが皮膚に密着して、やや圧がかかって泡がつぶれます。このとき手のひらで皮膚に触れたまま、手の力をすっと抜きます。その瞬間、毛穴などにほんの少しの吸引力が生じ、微量の泡が手と皮膚の隙間に入り込みます。以上の動作を、手のひらが顔に触れたまま繰り返すことです。
押し洗いがほお、ひたいなどの大きな部分のためだったのに対して、目の周りや小鼻の横、あごの先など、凸凹のある細かい部分にもちいます。泡を指先にとって、うぶ毛の先端をなでるように、泡を優しくそっと伸ばしながら洗います。
正しいすすぎ方は、水洗顔の応用です。皮膚をこすらないのが原則です。こすりたい部分があれば、うぶ毛を指の腹でそっとなでる程度にします。
水の温度も大切です。35度以下の、なるべく水に近い「ぬるま水」を使います。
植物油でも動物の脂でも空気に触れれば1日で参加し始めますが、ワセリンは酸化するまでに数年かかります。
ワセリンは他のオイル類やクリームと違って、皮膚にしみ込んでいきにくいのも特徴です。
ワセリンをつけてもいいのは原則として、粉をふいている部分と、かゆみやチクチクのある部分のみです。それらの症状がない場所にはつけません。
ワセリンをつける場合は、ごくごく少量にします。米粒の半分ほどの量です。それを両方の手のひらで良くのばしてから、必要な部分にのみ手のひらを押し付けながらつけます。たとえワセリンでも、つけすぎは禁物です。肌をかえって乾燥させてしまいます。なお、ワセリンをつけたままでも、酸化して肌に害を及ぼすことがほとんどないので、石鹸などで落とす必要はありません。
肌につけるのは必ず白色ワセリンにして下さい。